ディスラー ああ、ああ、ああ

 「ああ、ああ、ああ」


その三つの音には、

意味がある。


意味があるというより、

意味を消すための音だ。


——それ、もう分かってる。

——大した話じゃない。


そう言いたいだけの、

短くて、便利で、

頭を使わなくて済む言葉。


相手の話を聞いているふりをしながら、

聞いていない。


理解しているふりをしながら、

理解しようともしない。


ただ、

小バカにした空気だけを置いていく。


それが

「ああ、ああ、ああ」

というディスリワードだ。




彼らは、

自分が頭がいい側にいる

つもりでいる。


理解が早い。

見抜いている。

もう知っている。


そういう振りをする。


だが、

実際に深い話をする人間は、

この言葉を使わない。


深さとは、

知識の量じゃない。

学歴でも、

肩書きでもない。


考え続けることだ。


たとえば、

複雑で、

簡単に答えが出ない話。


そういう話を

本気で続けている人間を、

ディスラーの中で

僕は見たことがない。




彼らが得意なのは、

学歴マウント。

仕事ができるっぽいマウント。


だが、

よく見れば、

やっているのは

会社の業務を

会社のルール通りに

こなしているだけだ。


それ自体は悪くない。


問題は、

それを使って

人を測ろうとするところだ。


浅い。


驚くほど、

浅い。


だからこそ、

「ああ、ああ、ああ」で

話を終わらせる。


掘り下げない。

広げない。

つなげない。


深くなる前に、

遮断する。




ディスラーについて、

気にする必要はない。


彼らは、

自分たちが

マウントを取っている

つもりになっているだけだ。


こちらが

反応しなければ、

成立しない。


勝手に勘違いさせておけばいい。


「ああ、ああ、ああ」と

言わせておけばいい。


その言葉が出た瞬間、

もう分かる。


——この先に、

深さはない。


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