桜町のプリンス 1話 即興アマチュアピアニスト


 桜町バスターミナルの2階の大きな廊下にあるストリートピアノで僕はよく演奏をする。即興で適当に引いているが、自分ではいい感じだと思っている。ただギャラリーはいない。たまに女の子などがポツンと後ろで聞いていたりする。その時はその女の子に心を込めて弾いてみる。まあその場限りの恋愛みたいなものだ。カバー曲はまだ練習が足りなくて下手なので、それを弾こうものなら、すぐにその場を立ち去られてしまうので、最近はカバーは引いていない。時々横を通る女の子たちに手を振ったりする。特に軽い性格とは思っていないが、人からは女性との距離が近すぎるから、もっと節度を持つようにと忠告されるが、なかなか治らない。昨日は4人組の女の子たちに手を振ったら、全員手を振替してくれて、ニコニコしてくれたので、こっちもニコニコだった。他にも女の子たちに手を振ったが手を振ってくる子達もいれば、そのまま通り過ぎる子達もいた。そばの視界に入るところに案内板があって、そこにしょっちゅう入れ替わり立ち替わりで人がその案内板を見る。カップル、友達同士、1人、様々だが、カップルや夫婦などが結構長く立っていたりすると、カップルマウントをとっているんじゃ無いかと勘繰って、昨日はわざと女子の方に手を振ったら、グラサンの彼氏の方に睨まれた。とは言え相手の目は見えないのだが、僕はそんなことは平気な方でずっとその彼氏の方をみてニタニタしながらピアノを引き続けた。すぐにそのカップルは行ってしまったのでことなきを得た。ここまで読んでお気づきかと思うが僕は結構、女子に気安いとか、メンタル強めと言うところを鼻にかけていないわけではない。そう言うところが自分の欠点だと言うことはよくわかっているのだが、カップルマウントをとってくる奴らと同様に悪いとわかっていても、やめられない。昨日案内板の前に立った女の子に手を振った。その子は1人で立っていたのだが、最初こちらに気づかなくて、手を振り続けていたら7秒後くらいにこちらに気づき、けげんそうな顔でこちらに手を振って来た。そして立ち去っていった。しばらくしてまたその子が来た。ひょっとしたら誘われたいのかなと思った。コーヒーに付き合ってくださいなどと言うのは、全然平気で言える僕なのだが、まあ別に今回はまあいいかと思ってやめにした。一回あたりの演奏が30分と決められていて、まだ時間も残っているし。と言うわけで僕は調子をぶっこいてしばらくピアノを弾き続け、時間が来たのでピアノを後にした。ああ、楽しかった。






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