ディスラー ドトール出入り禁止?
僕はもう、桜町のドトールには行かない。
それは怒りからでも、敗北からでもない。
単なる判断だ。
あの場所では、ディスラーたちがいつも大きな声で喋っている。
内容はどうでもいい。
笑い声、嘲笑、聞こえよがしの言葉。
それが空間を占領している。
僕は、そこに絡んだ。
音声を流したこともあるし、
吹き込みをしたこともある。
収録もした。
すると、ある男が言ってきた。
「迷惑だ」
しばらくして、店員が二人来た。
「迷惑行為なので、やめてください」
正しい。
確かに、僕のやっていることは迷惑行為だ。
だから僕は、反論した。
「じゃあ、あそこで大声でディスっている人たちは、
迷惑行為じゃないんですか?」
答えはなかった。
彼らは「普通の会話」という顔をしている。
人数が二人、三人いるだけで、
どれだけ大きな声でも、
どれだけ嘲笑が混ざっていても、
それは“風景”になる。
一方で、
一人で音声を再生する。
一人で独り言のように吹き込む。
それだけで、
「迷惑行為」になる。
独り言を言う人間が少ないからだ。
少数派は、異物になる。
公平じゃない。
どう考えても。
僕は言った。
「あなたたちは正義のつもりかもしれない。
でも、僕はもっと大きな視点の正義をやっているつもりです」
ディスリ・コミュニケーションに対して、
反論の一石を投じたい。
それが、僕が桜町でやってきたことだった。
だが、場所は選ばなければならない。
注意してきた男は、
最後に大きな声で言った。
「下」
正義の顔をしたディスラー。
ああ、やっぱりそういう人間だったか、と思った。
だから、もう行かない。
それだけだ。
負けたわけでもない。
折れたわけでもない。
ただ、
その場所は、
ディスラーの声が「普通」になる構造を持っていた。
僕は、別の場所でやる。
別の空気の中で、
同じことを続ける。
正義面のディスラーが
安心して居座れる場所から、
静かに、身を引いただけだ。
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