ディスラー 迷惑行為ただいま誤解中


音声

 https://open.spotify.com/episode/5jOoTRIYj5Qs8VwgLrxNYW?si=1AAjgjc5Sr-PooQ_Dni_Iw

街角には、今日も小さな集団のディスリが飛び交う。
でも、一人きりでも言い返す男がここにいた


 この街には、時おり小集団による“ディスり”が発生する。
 二人組の男だったり、女同士だったり、三人組の学生だったり。
 彼らは決まって、誰か一人で歩いている人間を見つけては、ディスリワードを散りばめた会話で囲む。
 まるで流行りの遊びのように、他人をネタにして笑い合うのだ。

 僕はそんなやり口を見て、決めた。
 ――やり返せる人間がいるってことを、街のみんなにわからせてやろう。

 その日から、桜町バスターミナルのカフェで、彼らのディスに“独り言”で徹底的に絡み返すのが僕の日課になった。
 さらにナンパも兼ねて、女の子にも積極的に声をかけまくった。
 「お茶しませんか?」
 「今度ライブ行きません?」
 失敗は多かったが、僕なりに街で戦っている感覚があった。

 ところがある日。
 カフェの外に警備員が現れた。僕の視線をちらりと避けて歩き回り、やがて去っていく。
 ――嫌な予感がした。

 カフェを出ると、案の定、警備員に尾行された。
 「ちょっといいですか」
 呼び止められ、事情を聞いた。

 「あなたが女の子に声をかけまくったり、小集団に絡んでいるという通報が管理会社に山ほど届いてます。これ以上やると、警察に通報しますよ」

 ああ、やっぱりな。
 警備員はさらに言った。
 「桜町バスターミナルはうちの管轄ですから。ここ以外でやってください」

 ――面倒くさい。

 僕は結論を出した。
 彼らはマウントを取るためだけの、超つまらない連中だ。
 人の表面しか見ずに、決まりきったパターンのディスリワードを繰り返すだけ。
 自分たちが優れていると勘違いしている、ただの凡庸なやつら。

 僕には、心から満足できる会話を交わせる人間が何人かいる。
 だから、こいつらに絡んでも得られるものは何もない。
 物事の本質を見抜けない人間は、いくら群れても空虚な笑いしか生まないのだ。

 僕は決めた。
 ――ディスラーどもを、括弧撃破する。

 街の喧騒の中で、今日もまた新たなディスリの声が聞こえる。
 それを聞きながら、僕はひ

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